『Stars:1st episode/TRIGGER【-22】』

『1st episode/TRIGGER【-22】-◆Opening00-』

◆Opening00

とある街 セージ・ヴァレンタインの部屋

GM:この部屋は人の痕跡というものが極めて薄い。
GM:ある日、何者かがここを引き払ったとしてもその人物像を推測することは難しいだろう。
GM:ここにあるのはアパートメントに最初から備え付けてあったソファを始めとした家具、古い形式のテレビくらいしかない。
GM:しかし、それはあるものを除けば、の話だ。
GM:人が作り上げた人を殺すための武器――銃“テンペスト”がその部屋の中で異彩を放っている。
GM:その銃のモリ主こそが“カームバレット”セージ・ヴァレンタイン。
GM:一流のヒットマンその人である。
“J”:『さて、いつものとおり仕事の話をしよう。“カームバレット”』
“J”:電話越しから男の声が響く。
セージ・ヴァレンタイン:「……ああ。今回もいい話持ってきてくれたんだろうな? “J”の旦那よ」
“J”:『僕の見立てではきみが気に入りそうな案件だとは思っている』
“J”:『もう僕からの荷物は届いたか?』
GM:キミの目の前には小包が届いている。
GM:中身は携帯電話が三つ、キミと弟子であるジェシカ用のものだろう。
GM:そして紙の資料だ、写真とともに今回の仕事に必要な情報が記載されている。
セージ・ヴァレンタイン:「荷物……ああ。届いている」
“J”:『ならば説明するにはちょうどいいな、今回の仕事はとある男の護衛だ』
“J”:『その男は現在“ボルケイノ”とという組織に所属しており、名前をダリル・リッチモンドと言う』
セージ・ヴァレンタイン:「殺し屋に護衛の依頼とはな」鼻で笑いつつ資料に目を通す
“J”:『だからこそだ、殺しに長けているからこそどう防げるかが分かる』
“J”:『それともきみはいつも考えなしに僕から渡す仕事をこなしているのか?』
セージ・ヴァレンタイン:「笑えない冗談だ、旦那。あんたの持ってくる仕事はそんなガキでもできる仕事じゃあないだろう」
“J”:『ああ、その通りだ。だがきみが些か不満を覚えるというのも分からなくはない』
“J”:『きみが護衛するのなら、対象に危険が及ぶことはないだろう。なにしろきみは――超人だからな』
セージ・ヴァレンタイン:「……」
セージ・ヴァレンタイン:「……そんな超人の俺に仕事を持ってくるってことは、タダの護衛じゃないんだろう?」
“J”:『話が早くて助かる、そう並の相手ではきみの相手にはならない』
“J”:『この“ボルケイノ”という組織、あるきな臭い噂がある』
“J”:『それは――あの“ベイリングシティ”に襲撃を仕掛けようというものだ』
GM:この言葉の意味はキミも分かる、“ベイリングシティ”には“カウンシル”と呼ばれる裏社会で名高いマフィアがいることを。
セージ・ヴァレンタイン:「ハッ」
セージ・ヴァレンタイン:「おいおい、正気かよ?」
セージ・ヴァレンタイン:「戦争でもやらかすつもりなのかい?その"ボルケイノ"って連中は」
“J”:『それは僕にも分かりかねるが、狂気だろうと正気だろうとそんなことをすれば“カウンシル”からの反撃はあるだろう』
“J”:『そろそろ僕がきみに仕事を渡した理由が分かるだろうが――きみはその男、ダリル・リッチモンドを何者からも守ってもらいたい』
“J”:『非常に危険な仕事だと……僕は思うが。 どうだろう?』
セージ・ヴァレンタイン:「成程な……こいつは、やりがいがありそうな仕事だ」
“J”:『そう言ってくれると助かる、きみは“ボルケイノ”に潜入して彼を直接守れ』
“J”:『彼はこの仕事の事は分からないだろう、他人のように振る舞うことが出来るはずだ。』
“J”:『下手に“ボルケイノ”の連中に勘ぐられるときみも面倒だろう――きみはそれでも構わないかもしれないが』
“J”:『彼はただの人間だ。それに――』
セージ・ヴァレンタイン:「それに?」
“J”:『少なくとも“ボルケイノ”の連中が“カウンシル”相手に事を構える事に至った原因がそこにあるはずだ、迂闊な事は止した方が良い』
セージ・ヴァレンタイン:「……忠告、感謝する。流石に俺もギャングどもから命を狙われるのは御免被りたい」
“J”:『ダリル・リッチモンド、彼は“ボルケイノ”では別の名前を使っているだろう――上手く使ってくれ』
GM:これはセージさんダリル相手に信用を得たい場合はこの名前で呼んで、事情を話してみろ。ということです。
セージ・ヴァレンタイン:「……ああ。了解した」
GM:もちろん、“ボルケイノ”内ではボロが出てしまうので使えませんが……そこから離れた時に使える手段です。
セージ・ヴァレンタイン:ふたりきりになった時などに切るカードというわけですね
GM:そういうことです!
“J”:『それとこちらがきみに事情を話すことは出来ないが。きみがこちらに気を使ってくれるのなら報酬にはその分上乗せさせてもらう』
GM:これはセージさんが“J”の依頼をより助けるような行動をとった場合、ボーナスが発生します。
セージ・ヴァレンタイン:ほうほう
GM:この辺りはミドルでセージさんも情報収集が可能なので調べたりして色々考えてみてください。
セージ・ヴァレンタイン:了解です。
“J”:『携帯電話の使い方は何時も通りだ、僕との連絡用は一つは確保してくれ』
GM:“J”との連絡用に一つ、“ボルケイノ”側と連絡用に一つ、弟子との連絡用に一つということです。
セージ・ヴァレンタイン:「……ああ。いつもどおりだ。いつもどおり依頼はこなすぜ」
“J”:『仕事をする分には十分な資料を用意させてもらった、それ以上はきみが調べてくれ』
セージ・ヴァレンタイン:「了解した。報酬はいつもの手筈で」
“J”:『報酬はいつもどおりに支払おう』
セージ・ヴァレンタイン:「いつものことながら見事な手際だ。こちらもあんたにはお世話になってるからな」
“J”:『こちらからは以上だ、既に前金は振り込んである。確認してくれ』 これ以上なにもないと電話は切れます。
セージ・ヴァレンタイン:「オーケイ、では良い報告を待っていてくれ」
セージ・ヴァレンタイン:電話を切ります。
GM:了解です、電話は切れました。
ジェシカ・ヴァレンタイン:「ししょー!なんの電話だったんですか?」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「仕事、仕事ですかっ!」
セージ・ヴァレンタイン:「……仕事だ。口座に前金振り込まれてるか確認してこい」
ジェシカ・ヴァレンタイン:きみに声をかけてくるのはおよそ十代半ばの少女、きみの弟子を自称する少女。
ジェシカ・ヴァレンタイン:ジェシカ・ヴァレンタインだ。
ジェシカ・ヴァレンタイン:「了解です!」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「そうそう、どんな仕事なんですか?殺しですか、やっちゃうタイプですか?」
セージ・ヴァレンタイン:「お前には関係ない。さっさと確認してこい。あとマーケットで水買ってこい」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「うぅー、一番弟子の私には教えてくれてもいいじゃないですか!」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「“カームバレット”の一番弟子たるこの私!ジェシカ・ヴァレンタインには!」
セージ・ヴァレンタイン:深く溜息をつく。
セージ・ヴァレンタイン:「…………弟子はお前が勝手に名乗っているだけだろうが。ファミリーネームまで勝手に名乗りやがって」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「えぇー! OKだと思ってたんですけどちがうんですかっ!?」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「何も言わないのは了承の合図だと」
GM:もちろん、セージさんは何回も言っているがこいつが適当抜かしているだけでもいい。
セージ・ヴァレンタイン:「あまりにもアホらしくて返答する理由もなかっただけだ」
セージ・ヴァレンタイン:「だいたいお前、いつまでここにいるつもりだ。さっさとまともな仕事を見つけて出て行け」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「もー、そんなの嫌に決まってるじゃないですか」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「大体、私拾ったの師匠じゃないですか。面倒見てくださいって!」
セージ・ヴァレンタイン:「……そうだな。そこに関しては俺の人生の中でも最大級の過ちだと思っている」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「過ちなんかじゃないですって!こんな拾い物めったにありませんよ!」
セージ・ヴァレンタイン:「そうだな、料理の一つくらいできると思ったんだがな。トーストも満足に焼けない拾い物なんてめったにいない」
GM:ジェシカの人間性についてはともかくとしてきみの仕事のサポートを行わせるにあたって有能なことをきみは理解している。今度の仕事にもこいつを使うことになるだろう。
ジェシカ・ヴァレンタイン:「そ、それを言われてしまっては……私としてもなにも言い返せません……」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「ですが、日々進化していますよ!すこしずつ焦がす面積が少なくなっているはず!」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「どうでしょう、少しくらい褒めてくれても良いのでは?」
セージ・ヴァレンタイン:「……」
セージ・ヴァレンタイン:「褒められたかったら、仕事はキッチリこなせ。」
セージ・ヴァレンタイン:「まずは口座の確認だ。」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「いいましたね、確かにいいましたよ!今!」
ジェシカ・ヴァレンタイン:「早速確認してきますので、その時はその時ですよ!」
ジェシカ・ヴァレンタイン:特に引き止めなければこいつはこのままこの部屋からいなくなるだろう。
セージ・ヴァレンタイン:「……」いいからサッサと行け、という目でジェシカを睨む。
GM:ではジェシカは部屋から出ていきます。
セージ・ヴァレンタイン:「やれやれ……小間使いとしちゃあよくやるが、もう少し静かにならんもんか」ジェシカが出て行ったのを確認して、ソファに腰を下ろす。

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